学生時代に高額な学費を支払うために、奨学金を利用していたという人も多いのではないでしょうか。
奨学金の利用者数は年々増えている傾向にあり、平成29年時点で約3人に1人がこの制度を利用しています。
返済義務は卒業後から発生しますが、返済金額に対して初任給は安く、生活してくだけで精一杯という人も。
そこで足りない収入分を補うため、一時的な利用を考えるのがキャッシングでの融資です。でもすでに奨学金でお金を借りているのに、さらに融資を受けるなんて「キャッシングの審査が不利になるのでは?」と思いませんか?
そこでこの記事ではすでに奨学金の借入がある人に向けて、キャッシングと奨学金の関係性から注意点に至るまでをまとめました。
是非参考にしてください。
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目次
基本的に奨学金はキャッシングの審査に影響しない
奨学金の借入がキャッシングの審査に影響することは基本的にありません。
なぜなら奨学金の利用履歴や返済状況などは、キャッシング審査で利用する信用情報機関に登録されていないからです。
信用情報機関とはCICやJICCといった機関のことで、キャッシングの審査ではこの機関に登録されている信用情報をもとに審査がされます。
登録される信用情報とは、
- 申込者の個人情報
- これまでの申込歴、利用歴
- 遅延や滞納、自己破産などの債務整理情報など
借入に関するほぼすべての情報です。
しかし奨学金はこの信用情報機関に加盟していないため、返済がきちんとされていれば、この信用情報機関に登録されることがありません。したがって基本的にはキャッシングの審査に影響がないのです。
ただし、奨学金と違って学生ローンなどの借入は、キャッシングと同様で信用情報機関に登録される借入となりますので間違えないようにしましょう。
日本学生支援機構(JASSO)は限定的に信用情報機関へ加盟している
上記で奨学金は信用情報に登録されないと述べましたが、中には信用情報機関に加盟しているものもあります。
それは奨学金の中でも日本で代表的な、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)です。日本学生支援機構はKSC(全国銀行個人信用情報センター)という銀行系の信用情報機関に加盟しています。
ただし、その登録内容と使用方法は限定的で、返済が滞っていない限り他のキャッシングの審査に影響することはありません。
登録情報と条件は下記の通りです。
- 返済開始6ヵ月経過後、3ヵ月滞納した場合
- 氏名、電話番号、住所、生年月日、勤務先の個人情報
- 貸与額、最終返還期日、延滞情報、代位弁済、完済の返還情報
- 完済後5年間登録
では審査に影響が出る場合は、どのようなケースなのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。
3ヶ月以上延滞した場合、信用情報に延滞記録が残る
3カ月以上返済が滞ると「事故情報(ブラック情報)」として信用機関に記録が残ります。
奨学金は百万円単位におよぶ高額な借入となるケースも少なくありません。返済は卒業後に開始されますが、月々の返済金額に対して初任給が低く延滞してしまうケースも。
その返済が3カ月以上となると、滞納情報が信用情報機関に登録されます。しかし、3カ月未満の場合には信用情報に登録されることはなく、キャッシング審査に影響することはありません。
奨学金を利用しただけでは信用情報に登録されない
日本学生支援機構の発表したデータによると、平成29年度に奨学金を利用した学生の割合は37.2%で、2.7人に1人の割合で奨学金を利用しています。
ということは多くの学生が卒業後に奨学金の返済に迫られているということです。中には収入が少なく、生活費や急な出費を補填するためにキャッシングの利用を考えている人もいるのではないでしょうか。
キャッシング審査では借入状況などを確認しますが、奨学金を利用しただけでは信用情報に登録されることはありません。そのため奨学金が審査に直接影響することはありませんが、3カ月以上の延滞をしてしまうと信用情報に登録され審査にも影響します。
信用情報に延滞した記録が残るデメリット
奨学金の借入自体はキャッシング審査に影響しませんが、延滞が3ヵ月続いてしまうと信用情報に登録されます。延滞情報が登録された場合には、デメリットとなる部分が大きくなりますので注意しましょう。
代表的なデメリットとしては、
- キャッシングやローン、クレジット審査で不利になる
- 延滞の記録が信用情報機関に5年間残る
というものがあります。以下で具体的にどのようなデメリットとなるのか解説していきます。
クレジットカード・キャッシング・ローン審査で不利になる
信用情報機関に延滞情報が登録されると、
- クレジットカード
- キャッシング
- 各種ローン(自動車ローン、住宅ローンなど)
の審査で融資が通る確率が下がります。
金融機関が、返済能力や信用性の有無を判断する材料となるのが信用情報です。さらにその判断はコンピューターによる自動採点となることがほとんど。
延滞情報などのブラックと呼ばれる事故情報があると、点数は下がり審査に通る確率も低くなってしまうのです。
またクレジットカードを利用している場合には、その利用が止められることもあります。ショッピング利用はもちろん、クレジットカード払いで設定している料金の引き落としもできなくなるので注意しましょう。
一度登録されると延滞の記録は5年間残る
3カ月間延滞をして信用情報機関に一度でも登録されると、その情報は完済後5年間残ります。残った情報はクレジットカードや住宅ローンなどの審査に影響することも。
返済期間中や完済後の5年間は、結婚や出産、転職などライフイベントも多くある時期ですので、完済してもローンが組めないと、審査に影響を及ぼすだけでなく様々な局面でマイナス要素になりかねません。
奨学金以外でも延滞するとキャッシングの審査で不利になるもの
キャッシング審査で不利になるものは、奨学金の延滞だけではありません。
その他にもつい延滞してしまいがちで審査に影響するものがあります。とくに身近であるものの方が、見落としてしまうことが多いため注意が必要です。
ここからは延滞する可能性の高いものをいくつかピックアップして紹介します。無駄な延滞金が発生しないように、ここでしっかりポイントを抑えておきましょう。
分割払いで購入したスマホ代料金
まず信用情報機関に登録される身近な支払いとして、スマホ本体の料金があります。ほとんどの人が契約時に端末代金を分割払いで購入しているのではないでしょうか。
この分割購入費はクレジット契約をしていることになるため、延滞や滞納が続くと信用情報に登録されてしまいます。
信用情報に登録されるということは事故歴として残るということ。したがって新たに借入をしようとした場合に、審査が通らない可能性があります。
例えば住宅ローンの審査では、現在返済している借金がどれだけあるのかをすべて自己申告しなければいけません。
その対象となるのは携帯代金の未払いも入っています。申告し忘れたとしても信用情報機関で照会するとわかってしまうため、携帯代金の未払いが原因で住宅ローンが通らなかったというケースもあります。
クレジットカード
近年ではキャッシュレス決済が広く使われており、クレジットカードを利用してショッピングすることも珍しくありません。このクレジットカードの利用はもちろん信用情報機関に登録されますので、延滞や滞納が続くとキャッシング審査で不利になります。
万が一滞納してしまった場合は、すぐにクレジット会社に連絡しておきましょう。
支払いの意思があることを伝えて支払方法や期限の指示を受けることが大切です。あまりにも滞納が長引くと審査で不利になるだけでなく、給料の差し押さえとなることもありますので注意しましょう。
公共料金の支払いは信用情報に関係なし
水道・電気・ガスといった公共料金の支払いを、口座振替や振込用紙での支払いにしている場合は信用情報に登録されません。
したがって、延滞や滞納があったとしても事故情報が登録されることはなく、キャッシング審査に影響もないのです。
キャッシング審査で影響がでるのは、あくまでもカード会社を経由した支払いのみです。そのため公共料金の他にも、健康保険料の延滞や住民税、NHK受信料の延滞についても信用情報に登録されることはありません。
ただし、公共料金や各種支払いをクレジットカード払いにしている場合は注意が必要です。
クレジットカードの情報は信用情報機関に登録されます。延滞や滞納が続くと事故情報として記録が残り、わずかな金額であってもその情報が残ると審査で不利になってしまいます。
また公共料金以外でも、クレジットカード払いにしている各種の支払いがある場合は、支払い漏れのないように注意しましょう。
奨学金の返済に困ったら延滞する前に相談しよう
近年増えている奨学金の返済問題。約3人に1人が借りている利用率の高さからも、お金に困っている人が増えていることがわかります。
大学卒業後は仕事、結婚、出産などライフイベントが多くあり、住宅の購入なども検討していく大切な時期です。
基本的に奨学金の利用はキャッシング審査に影響しませんが、返済を3ヵ月延滞してしまうと信用情報に事故歴が残ります。
その結果、キャッシング審査やローン審査が不利になってしまい、本当に必要なときに融資を受けられないということも。
もしどうしても奨学金の返済に困った場合には、延滞してしまう前にキャッシング相談をすることをおすすめします。
一時的には借入が増え返済義務が発生しますが、延滞して5年間審査が通らいない可能性を考えると、利用を検討する価値は充分あるのではないでしょうか。