おまとめローンとは?一本化のメリット・デメリット

おまとめローンとは?一本化のメリット・デメリット

借金が膨れ上がり、返済で毎日精いっぱい。

返すお金が足りないので、よそから借り入れてきて充当する状態。これが多重債務です。

もし多重債務で身動きが取れなくなってしまったら、解決策として「おまとめローン」を考えてみませんか。

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おまとめローンとは?

おまとめローンを聞いたことがあるでしょうか。

多重債務解決の切り札となる商品で、多くの銀行や消費者金融で取り扱っています。

軽い気持ちから始めた借金が、ちょっとした歯車の狂いで積み重なることは、人生においてしばしばあるところです。

複数の金融機関から借りるようになると、そこからは一気に増え、自転車操業になることがあります。

Aから借りてBに返す。Bからまた借りて、Cに返すという具合です。

利息も増えていきますし、なによりもどこからいくら借りているのかの管理が行き届かなくなることがあります。

そのようなときに、せめてこの借金を一本化できればいいのにと思うかもしれません。

この希望通りの商品が、まさにおまとめローンと呼ばれるものです。

おまとめローンはカードローンではないので、一度にまとめて必要額の借入れをします。

借り入れたお金で、既存のカードローンなどを一括返済します。これによって、借金の一本化に成功するわけです。

カードローンのように追加の借入れはできません。あとは、毎月せっせと返していくことになります。

おまとめローンは2種類あります。

ひとつは、消費者金融等貸金業者の債務に限りまとめられるもの。こちらは、毎月の返済額が減ることが要件となっています。

もうひとつは、クレジットカードのリボ払いや銀行カードローンまでまとめられるもの。こちらは、総返済額が減ることが要件となっています。

おまとめローンのメリット

複数の借金を一本化するための金融商品、おまとめローンのメリットを見ていきます。

返済先を一つにまとめられる

借入先をまとめられることの効果は意外なぐらい大きいものです。

借入先が1か所になると、当然、返済は月1回となります。

少なくとも、返済に毎月追われ、複数日の返済日により常時混乱していることはなくなるでしょう。

平静でないと、今後の生活設計も立てられません。

毎月の返済を楽にできる可能性がある

ローンをまとめる効果として、新たなローンについて毎月の返済額は下がることが多いです。

特に貸金業での債務をまとめる場合、おまとめローンとして認められるには必須の要件です。

ですが返済額が減って、「楽になった」と考えると少々危険です。

毎月の返済額が減るということは、借金の減るスピードがそれだけ遅くなることだからです。

返済は、まず利息、それから元本に対しておこなうもの。できるだけ多く元本に対して返済することで、利息の発生が抑えられるわけです。

毎月の返済が少なくなるということは、それだけ元本への返済が少なくなるので、将来の利息が増えるということです。

自転車操業から解放されたのは喜ばしいことですが、「返済分以外は使っていい」と思うのは間違っています。

毎月の返済額は義務によるものと捉える必要があります。きちんとこの構図を理解しているなら、「義務としての返済が減った」ことは確かに喜ばしいもの。

日々、なるべく多めに返済していきましょう。

金利を引き下げられる可能性がある

借金は、まとめたほうが金利が安くなることがあります。

これは商品の性質の前に、法律(利息制限法)が関係しています。

通常、消費者金融の金利の上限は18.0%です。上限とはいうものの、ほとんどのカードローンの金利はこの数字です。

ローンの利用限度額が100万円以上となると、法律上の上限利息が変わり、15.0%となります。

ですから、100万円以上のおまとめローンを組んでもらえるなら、利息が当然に下がることになります。

合計100万円以上になる借金があるときは、おまとめローンというのは非常に優れた選択肢といえます。

そもそも、借り換え後の金利のほうが高いことになると、法律上おまとめローンとしては認められません。

おまとめローンは総量規制の対象外

貸金業法には「総量規制」というルールがあり、貸付の上限額が定められています。

多重債務を防ぐために、こうした規制が掛けられています。

銀行等、貸金業法が適用されない金融機関にはこの制限はありません。

消費者金融やクレジットカード会社等の貸金業者はこの規制が適用されます。

僧侶規制により現在では、個人の年収の3分の1までしか借入れができなくなっています。

年収450万円の人は、複数のローンを合計して150万円までしか借金ができません。

すでに100万円の借金があるとき、これを一本化したくても、この人はあと50万円までしか借入れができません。

ですから、よそから新たに借りてきて一本化ということができないのです。

なお、借金の額は実際に借り入れている額ではなく、「限度額」で判断されます。

クレジットカードで50万円のキャッシング枠を持っている人は、常に50万円の借入れをしていると判断されます。

このように、すでに借金の多い人が新たに借入れをするのは、総量規制によって制限されています。

ですがおまとめローンには総量規制が適用されません。

「顧客に一方的に有利となる借換え」として、総量規制の例外貸付けとされているのです。

おまとめローンのデメリット

借金で苦しむ人にとっておまとめローンは救世主のような存在です。

借金がまとまっただけでも助かるおまとめローンですが、デメリットも見ておきましょう。

デメリットというのは適当ではないかもしれません。メリットの「副作用」と考えればいいでしょう。

毎月の返済金額が増えるリスクもある

金利は法律で規制されていますから、まとめることで毎月の返済額は下がる場合が多いです。ですが、絶対ではありません。

月々の返済額は、ローンによってさまざまで、金利が低くなっても月の返済額が高くなる場合もあり得ます。

まとめるローンと、おまとめローン商品の返済額の比較によっては、毎月の返済金額が増える可能性はあります。

もっともこのケースは、既存のローン商品をおまとめに利用する場合や、総量規制の適用外となる銀行等で借入れをする場合など、限られています。

借り換え前より毎月の返済額が大きくなる場合、貸金業で作った借金をまとめる種類のおまとめローンとしては認められないからです。

多重債務で苦しんでいる人の場合、そもそも既存のローン商品を借り換え目的で利用できない可能性が高いので、「借り入れできたが返済金額が高くなった」というケースは多くはないでしょう。
銀行から新たに借り入れる場合や、銀行ローン、ショッピングリボなどをまとめるタイプのおまとめローンの場合は、仮換えた結果毎月の返済額が多くなる可能性はあります。

ただしもしそうなったとして、金利が低くなることが多いので一概にデメリットともいえません。

以前より利息が増える可能性もある

おまとめローンで借金を一本化すると、基本的に毎月の返済額が減り、金利も低くなります

ですが先にメリットの項で触れましたように、返済額が減ることで一見楽になるのですが、金利が大きく違わない場合、結果的に利息が増えることがあります。

元本に対する返済速度が落ちる結果です。

これについては、デメリットというよりもおまとめローンの反射的な効果です。デメリットと感じるのは罰当たりです。

この対策は難しいものではありません。積極的に繰上げ返済をしていくことで利息の発生は最大限抑えられますので、デメリットにはならなくなります。

おまとめローンの審査に通らない可能性もある

おまとめローンは、多重債務者を救済するための商品にも見えますが、別段、福祉目的の商品ではありません。

金融機関にとって、大きな元本に対する確実な返済が見込めるからメリットがあるのです。

ですから当然、確実な返済が見込めない人には貸してくれません。審査落ちになってしまいます。

具体的には、安定した年収に欠ける人や、過去に繰り返して返済を滞納しているような人です。

ローンを借りた頃は安定収入があったが、その後環境の変化で収入が減ったような人は、厳しいですがまず収入を安定させないと、まとめる以前の問題です。

おまとめローンを利用しても債務総額は変わらない

おまとめローンを使って借金を一本化したからといって、債務の総額が減るわけではありません。

新たに借りてきたもので、既存の借金を返したのですから、当然のことです。

これはさすがにわかっていないという人はいないでしょう。

返済がかなり苦しいなら任意整理も検討しよう

おまとめローンは、苦しい生活から脱却するために使うローンです。

ですが、リストラに遭う、体を壊すなど、苦しい生活から脱却するための元手となる、収入が不足してしまうことは珍しくありません。

ローンをまとめても、苦境から脱却できないこともあります。収入から生活費を除いた可処分所得が、返済額を上回っていたら、もうアウトということになります。

その場合に考えるべきことは、おまとめローンではありません。借金を合法的に減らすことです。

例えば弁護士をに依頼して、貸金業者に対して利息カットと返済猶予を求める、任意整理という方法があります。

過払い金があれば、これも計算して借金と相殺します。

任意整理をすると、いわゆるブラックリストに入りますので、その後少なくとも5年はクレジットカードも作れなくなります。ですが、いざとなれば仕方ないことです。

任意整理は借金を減らす方法ですが、これでも間に合わないようであれば、自己破産をすることになります。

自己破産を刷れば借金がすべてリセットされますが、任意整理と比べても、意外と日常生活への不便はありません。

いざとなったらこのような決断も重要です。